お正月らしい風景の写真が欲しくて、北鎌倉周辺で探してきました。
と思っていましたが、なかなか列が進まずに日が落ちてきました。
今年も色差現象の数値化に取り組んで参ります。
よろしくお願い致します。
新年早々ですが、昨年暮れにあった残念な出来事を一つ取り上げます。
ある地下街の駐車場で、御年配の男性から声をかけられました。
車のエンジンがかからなくなったので、診てもらえないかとのことでした。
ブースターケーブルは持っていないし・・どうしようと思いながら行ってみると、キーレスエントリー仕様の2〜4年前のモデルでした。
ドアロックは解除でき、表示ランプも点灯するので、単純なバッテリー上がりではないようです。ここにくるまでまったく異常は無かったそうです。
とにかく、ブレーキを踏み、シフトがパーキングに入っているのを確認して、イグニッションキーを回そうとしました・・・・
イグニッションキーがないんですね、キーレスエントリーだから、違うスイッチをひねる仕様だったのに気がつくのに数秒かかりました。
しかし所有者の方がおっしゃるとおり、ひねってもひねってもエンジンがかかりませんでした。
パネルにはバッテリー上がりを示す表示は出ず、キーのマークが一瞬出て消えました。
私には、現象が理解出来ず混乱してしまいました。
所有者の方もお困りだったと思います。
キーを差し込んでまわせば、車はセルモーターが回ってエンジンをかけようとするのに・・・キーレス仕様だからなので混乱してしまいました。
キーのマークが出ることから、キーを認識していない可能性がある、いずれにせよ制御や電気経路の不具合のようなので、私にはお手上げで、ディーラーさんに連絡するようお伝えしてその場を離れ、帰路に付きました・・・
しかし帰り道・・その日12/30(月)は既にディーラーさんはお休みに入ってしまったことに気がつきました。
あの後どうなったのだろう、JAFを呼んだのかな・・・ひょっとしたら、パーキングポジションに入っていない状態だったのかもしれない、だったら何度かシフトレバーを入れ直したりすれば、接点が回復するかもしれない・・などといろいろな事を考えてしまいました。
いずれにせよ、不具合現象の中でも「予想を裏切る」「突然動作をしなくなる」ということが起きると、今まで当たり前に動いていたのに裏切られた悔しさや、時間を無駄にしたという怒り、一番発生してほしくないものだと思います。
所有者の男性は「○○の安物のクルマだからしょうがないのかな」・・・とおっしゃっていましたが、そんなことを言われること事態が悲しいことです。
メカニカルキーをスイッチに代えていくらコスト削減できたのでしょうか
私は今まで経験した自動車の不具合は、ほとんど電子系、センサーとかモーターとかです。電子部品は数年で劣化して壊れると思っているので、安全や基本性能に関わる所はメカニカルな機構でないと、いざというときに信用できないと思ってはいますが、もうそんなことを言っていると時代遅れだって笑われてしまうのですかね・・・
国立新美術館で行われていた企画展「印象派を超えてー点描の画家達」12/23が終了でしたが、見に行く事ができました。
色彩理論の知識があったとしても、実践して描かれた作品を見ていくと、絵の具のポテンシャル以上に美しい情景を知覚できることが実感出来ます。
お気に入りはパステルカラーを使ったトーロップの「海」だったのですが、ポストカードも品切れだったようで残念でした。
テーマは「印象派を超えて」なのですが、点描や特定の線やタイルやモザイクを使った描写が全て、過去の作品を上回るパフォーマンスを見せているかというかというと、そうでもなく感じました。
私にはシスレーの「船遊び」などの青空やモネの「サン=ジェルマンの森の中で」の紅葉の描写のほうが高彩度に見えたりしました。(そのへんの価値は十人十色ですけど)
ゴッホの絵は、絵の具が立体的に盛り上がっているので光沢を感じますが、生々しさの表現が強いのであまり好きにはなれませんでした。
昨年見たフェルメールの「少女」は、凄かったことを思い出しました。厚塗りニスのひび割れが、照明を受けて光り輝き、青と黄色の組み合わせもあり、本当に動いているように錯覚してしまいました。
その後、オペラシティで開催された、オピッツさんのシューベルトを聴いてきました。
たまたま聴いてたFMラジオで流れていた「シューベルト最後のソナタ(D960)」の柔らかな音色の演奏に感激し、直接オピッツさんの演奏を聴きたいと思っていた夢がかないました。
この曲は4楽章合わせて50分の大曲なので、ただ弾いているだけのピアニストだと拷問になってしまうのですが、まったく時間を感じず、演奏を聴き終わっても、とても気持ちが高揚してしまいました。
シューベルトの気持ち、亡くなる2〜3週間前に書かれた曲ということですが、感情のゆらぎや達成感まで、数多くの情景が浮かんできました。
音の高低や組合せにすぎないのかもしれませんが、受け止め方によって、また異なる知覚が与えられるものなのだな・・と冷静な自分がつぶやいてはいましたが・・
ありがとうございました。
ピアノリサイタルに行ってきました
ちょっと仰天したのが、客席シートの色がバラバラなこと・・・
何か真っ赤なイスと薄赤のイスの違いに、意味を持たせたのだろうかと、一瞬考えてしまいました。 (子供のころ、シルバーシートが出来たときに、これはお年寄り向けに特別に座り心地を良くした椅子ではないか?と勘違いしてたことを思い出しました)
よく見ると、真っ赤な椅子は擦り切れている部分もあり、薄赤のほうは張り替えられたものなのだ、ということがわかりました。
予算がなくて、全部を張り替えられなかったことが想像できますが、古いホールなりに改装し一部は綺麗になっているし、音響も悪くは無かったのですが、非常口の扉の札も旧態依然でちょっと苦笑してしまいました。
都心の新しく建てられた綺麗なホールとの格差、頭隠して尻隠さずという意識、情けない気分になりました。
肝心のリサイタルのほうですが、凄まじい技術を持つ身体能力の高いピアニストで、持っている音色も素晴らしい。特にリストの「メフィスト・ワルツ」は「これでもか!」というくらいすごかったです。
しかし、肉食系男子の匂いが強すぎて、先日のハイドシェックさんのようなカタルシスを感じることはなく、聞き終わって疲労が残りました。
客席はそのテクニックに拍手喝采、ブラボー連発だったんですけど・・・
若い頃のリストはこんな風にエネルギッシュな演奏で喝采を浴びていたのでしょうかね
11/30は東京文化会館で行われた、ヴァイオリニストの小林武史さんのリサイタルを聴いてきました。
表現者として極められた小林さんが作り出す、弓の幅を全部使い切って弾ききる堂々として圧倒的な音が好きで、生音を聴くのをとても楽しみにしていました。
思い込みによる先入観念は怖いものです。
楽譜の想定を超えた音の表現、音程を超えた微分音や拍、超絶技巧を超えた刺激・・多彩な表現が尽くされていました。
私の稚拙な先入観念から構成された認識パターンを超えた、新たな素晴らしい音楽体験でした。
12/1は、同じく「孤高の」という表現がつくことが多い、ピアニストのエリック・ハイドシェックさんのリサイタルを聴いてきました。
どのような流れを表現していくのだろうと思っていましたが、予測を超える斬新なプログラムと音楽表現で昨日に引き続き素晴らしい時間を過ごしました。
ピアニストに言わせると、ハイドシェックさんの弾き方は小手先で真似しては大怪我をするらしいです。
音楽で「らしさ」を抽出し、認識して真似ようとしても、数多くの表現方法を持っているアーティストのごく一部の特徴をとらえ、断片的に真似るだけになりがちなのかなと思ったりします。
コピーしたくて情報を抽出しても、取り込めた特徴量は一部だけで、何かが足りなかった、その際に勘違いしたメソッドだけが一人歩きして、違うものが作られていった・・・という悲劇がいくたびか起きたのではないかなと、想像してしまいます。
「らしさ」が支配すると、聴き手側が自分の認識パターンに縛られ、お決まりの型を要求し、期待が外れるとがっかりしたり、ひどい場合はけなしたりするようになってしまうことに、恐怖を感じます。私もうっかりその思考パターンに陥る所でした。
新たな気づきを二人の偉大なアーティストが与えてくれました。良い日を過ごす事ができました。ありがとうございます。
以下、モーターショーの続きになります。
個人的に気になった展示車の一つが、日産のIDxでした。
やっと、認識パターンという定義と結びつけて考える事で、このデザインに惹かれる自分に納得することができました。
個々に見ると新しい要素がたくさんあるのですが、どうも自分の中にある既視感に縛られているようです。
形はともかくとして、この日産IDxのカジュアルタイプに塗られた色が凄かったです。
しかし、帰ってきてがっかり・・・うまく写真に撮れていませんでした。
現物を見ているときには、ライトブラウン〜イエローゴールドへの変化にぞくぞくしましたが、残っていた写真はただの黄色でした。RAW形式で撮影しておけば再現しやすかったかもしれません。
極めてあいまいな記憶による、PhotoShopによる修正写真も並べておきますが、これでもまだ違う感じがします。
なお、配布しているパンフレットを見てみたら、のっぺりしたライトブラウンに見えました。
すこしでもイメージを再現できるように、撮影や印刷はもうちょっとがんばってほしかったです。
実は自動車メーカー在籍時はあまり興味がなかったのですが、今回どうしても見たい出展があったのです。
樹脂外板で「着せ替え」を提案している、ダイハツさんの「KOPEN」です。
私、これやりたかったんです。ラインで量産させてみたかったんです。
まだショーモデルの段階ですし、脱着構造にも修正が入ってくると思いますが、このコンセプトを出展してくださったことに感謝したいと思います。
動画です(YouTube) http://youtu.be/cdNr3qcFfLQ
会場を廻ってみると、ボディとバンパーの組み合わせがまだ無いコンセプトカーがあったりしましたが、デザインを見る限り厳しい合わせ構造は行き着く所までいったのかなと思いました。
樹脂外板の外観も鋼板に比べ見劣りしなくなってきたこともあり、もうこれからが、どこがボディなのかバンパーなのかわからない構造になっていきそうです。
見せ方はスバルブースが一番よかったです。
塗装のゴールドからブルーに変わるエフェクトを、照明だけでなく車を傾けたりしながらのダイナミックな動きが強調し、非常に魅力的に感じました。
マルチカラーの再現として、部品の各面で多くの色があって見えなければいけない要素はより求められていきそうだなーと、展示車が照明をあびながら、ターンテーブルで回転するのを眺めてしみじみしました。
時系列で色の変化を人が受け取るので、色差管理にもを反映させなければと、改めて思うのです。
あと、UDトラックさんの展示車で、リヤホイールもカバーで覆われた実験車が新鮮でした。乗用車でもリヤホイールが覆われたデザインはあるのですが、大きくなると感じ方が違いました。恐怖感を感じないのです。
大きな車体にさらに大きくて黒いタイヤが剥き出しになっていると「巻き込まれるかも」といった恐さを感じるのですが、不思議と調和のあるデザインでした。
本来の目的は空力抵抗を下げて高速道路走行時の燃費を向上させるためだそうです。
インサート成型フィルムで作られたプリントパターンを使った意匠も、楽しいものがありました。
ヤマハブースに展示されていた、アメリカ向けオフロード車両が一番インパクトを受けました。
傍観者的な立ち位置になり、「立場違えば言う事変わる」という典型でしょうか・・・ショーとして単純に楽しめたのも意外でした。
でもメルセデスブースの金属調塗装では、さすがにぞーっとしました。
これは厳しい・・・美しいけど
(動画もアップしました)
http://youtu.be/GgOuEVEKmx0
二日目に行われた講演会の中で、街の景観に対する取り組みのお話を特に興味深く拝見しました。
鎌倉もがんばってほしい・・・・・・
倉敷の美観地区中心部の街並みは素晴らしかったです。
でも、中心部(大原美術館)から外れていくと、個々のお店が発する
「観光客を呼び込むために目立ちたい」色彩が目立つようになってきて、
徐々に普通の観光地と化してきます。
ましてや、保護されていない市街地は全く違うどこにでもある地方都市でした。
駅前の電飾看板とそこから垂れ流される大音量は観光気分をぶち壊してくれます。
日本で一番人気の有る某テーマパークは色彩管理が徹底していると聞きます。
高速道路のパーキングエリアでも江戸風の景観を売りにした施設ができると聞きます。
入場するだけでお金が取れる場所だったら、全体の景観を大事にするようになってくるのでしょうが、そうでないからと、エゴが滲み出してしまうのが悲しいです。
産業としての景観について、深く考えさせられました。
一部残念なところもあったのですが、大原美術館の素晴らしさもあって
倉敷には、また訪れたいと思うものがありました。
お土産は「むらすずめ」お店に置いてあった置物が可愛かったです。