国立新美術館で行われていた企画展「印象派を超えてー点描の画家達」12/23が終了でしたが、見に行く事ができました。
色彩理論の知識があったとしても、実践して描かれた作品を見ていくと、絵の具のポテンシャル以上に美しい情景を知覚できることが実感出来ます。
お気に入りはパステルカラーを使ったトーロップの「海」だったのですが、ポストカードも品切れだったようで残念でした。
テーマは「印象派を超えて」なのですが、点描や特定の線やタイルやモザイクを使った描写が全て、過去の作品を上回るパフォーマンスを見せているかというかというと、そうでもなく感じました。
私にはシスレーの「船遊び」などの青空やモネの「サン=ジェルマンの森の中で」の紅葉の描写のほうが高彩度に見えたりしました。(そのへんの価値は十人十色ですけど)
ゴッホの絵は、絵の具が立体的に盛り上がっているので光沢を感じますが、生々しさの表現が強いのであまり好きにはなれませんでした。
昨年見たフェルメールの「少女」は、凄かったことを思い出しました。厚塗りニスのひび割れが、照明を受けて光り輝き、青と黄色の組み合わせもあり、本当に動いているように錯覚してしまいました。
その後、オペラシティで開催された、オピッツさんのシューベルトを聴いてきました。
たまたま聴いてたFMラジオで流れていた「シューベルト最後のソナタ(D960)」の柔らかな音色の演奏に感激し、直接オピッツさんの演奏を聴きたいと思っていた夢がかないました。
この曲は4楽章合わせて50分の大曲なので、ただ弾いているだけのピアニストだと拷問になってしまうのですが、まったく時間を感じず、演奏を聴き終わっても、とても気持ちが高揚してしまいました。
シューベルトの気持ち、亡くなる2〜3週間前に書かれた曲ということですが、感情のゆらぎや達成感まで、数多くの情景が浮かんできました。
音の高低や組合せにすぎないのかもしれませんが、受け止め方によって、また異なる知覚が与えられるものなのだな・・と冷静な自分がつぶやいてはいましたが・・
ありがとうございました。